離婚届を出す前日…家族3人の写真撮影
悩んで悩んで、離婚を受け入れる事に決め、いよいよ明日、離婚届を出そうと決めた日。
すでに新しいアパートを決め、別の女性と住み始めていた夫とある場所で待ち合わせ…
娘の学資保険を夫の名義で契約していたため、名義変更のため顔を合わせました。
当時7か月の娘も一緒に3人で窓口を訪れ、名義変更の手続きを終え、さぁ帰ろうかというとき…
夫は「なんか飲む?」と自動販売機へ向かいました。そして3人でソファに座り、夫が買ってきた飲み物を飲みました。
フロアには他に誰もおらず、家族3人の時間。
夫は娘をあやし、笑わせている。
この家族が明日、離婚届を出すなんて、誰が思うでしょうか?
側から見たら家族の事情なんて、誰にも分からないですよね。人ん家のことなんて、当事者しか分からないなーと、つくづく感じます。
まったりソファでお茶してる、この家族。
夫はすでに一緒になりたい女性との生活が始まっていて、明日やっと願った離婚が成立する。
最後の家族の時間。とても切ない。
なんでこんな事になったのだろう。
どこにでもいる普通の家族なのに。
私にとっては、娘も夫も大切な家族なのに。
そしてジュースを飲み終え、お互いの車に乗ろうとした時、夫は写真を撮ろうと言いました。
正直、なんで明日離婚する私たちが写真を撮るのかと訳が分からなかったのですが、ここで揉めても仕方ないし、貴重な家族写真になるんだと思い、写真を撮ることにしました。
7ヶ月の娘を挟み、3人並んで穏やかな表情の写真。将来、娘に「こんな事もあったんよ」と笑って話しながらこの写真を見れるくらい、私は強い母になりたい。
父娘が良い関係でいられるよう、強くありたい。
そんな事を思いました。
そして私たちは別々の家へと帰りました。
その日の夜の事、私は夫にラインをしました。
「本当に離婚届を出す事に、迷いはない?」
今日、家族で穏やかな時間を過ごしたんだ。
もしかしたら、私はわずかに夫の心変わりを期待していたのかもしれません。
「迷いはないよ」と返ってきたとき、私はグッと心が硬くなるのを感じました。
母子家庭で娘を育てていく、その現実を精一杯受け止め、眠りにつきました。